六話(レイ)

~古代遺跡(ベルチサンクチュワリ)~内部~


「降り注げ、雨なる鉄(レインクラウディア)!」
クラウドが腕を上から下へ振り下ろすと遺跡の天井に陣が現れ、鋭利な鉄が雨のように降り注ぐ
「ぐぎゃぁぁ!」
放った技を受けて、黒い大きな獣は叫び声をあげてぐったりと倒れる
クラウドは一息つくと「どうなってんだここは…」と歩き出す
「…はぁ…戻れるんでしょうか、僕たち…」
「どうだろうな…とりあえず罠だけには引っ掛かることだけはやめてくれよ、少年」
「はい……」
クラウドと直哉はとぼとぼと薄暗い遺跡を歩きだした…
さてと、どうして彼らがこうなったか、それは3時間ほど前のこと…


~~~


言われていた通りに遺跡調査に行くことのなった彼ら…しかし、フランソワの策略?によってクラウド、直哉、ルーチェの3人で行くことになった
「じゃあねー」
と言いながら笑みを浮かべたフランソワは手を振っている
「あー、本気なのか…」
「もちろん」
「はぁ…」
クラウドは気が思いやられると言う風な顔をして、先に歩きだした
「ま、待って」
「ナオヤ」
それに少し遅れる形で2人も城を後にした


~~~


「あのー?」
「なんだ?」
「魔獣ってどんな感じなんですか?」
クラウドは紙とペンを取り出し、サラサラっと絵を書く
「こんなのだが」
紙には4足で黒い毛におおわれたライオンみたいなのであった
「こ、これ…」
「どうした、少年?」
直哉は震えた様子で、クラウドの後ろを指さす
「あれって…そうですよね…」
「!?…うそだろう…」
「ぐわぁぁぁぁう!!」
黒い獣は雄たけびを上げると、こっちに全力で疾走してくる
「ちぃっ!」
クラウドは、応撃の準備をして構える
「ナオヤ、下がっていてください」
ルーチェも剣を抜いて構える
「僕だって!」
直哉も同じように構える


「ぐわぁぁぁぁう!!」
魔獣は鋭利な爪を振りかざすがクラウドは軽く避けると片手を前に突き出すと
「衝撃の鉄拳(ストライククラウディッシュ)」
と叫ぶと突き出した手から陣が現れ、人の拳のようなものが次々と飛び出す
「ぎゃわぁぁぁう!」
拳は魔獣に直撃すると、爆発を起こす
「ぐぅ…あんまり効いちゃいないな…」
魔獣は、すぐに体制を立て直すとこちらに向かってくる
「やらせるものかー!」
ルーチェは魔獣の爪を剣で受け止めると、とてもその小柄な体に合わないほどの力で魔獣をはじき返し、頭部から剣を一太刀振り下ろすと魔獣の頭部は真っ二つに切り落とされる
「ぬるい……な…」
ルーチェは剣についた血を振り落とすと鞘におさめた
「さてと、先を急ぐか」と3人が歩き出した瞬間…
「ぐわぁぁぁぅ!」と魔獣が立ち上がるが…
「凍てつく氷(ブリザードコーリア)!」
「破壊の黒炎(ブレイクフレアホルン)!」
「衝撃の鉄拳(ストライククラウディッシュ)!」
と突然立ち上がった、魔獣に技を3人同時に叩きこむと魔獣は、声も立てずに消え去った


「ふー、危ない危ない…」
クラウドは襟もとと帽子を正す
「魔獣は切っただけじゃ死なないって本に書いてあってよかった」
「いい反応でしたよ、ナオヤ」
3人は何事もなかったかのように先を急いだ



~~~


「ここですか…」
直哉は目の前の巨大な遺跡をまじまじと眺める
「この奥にあるらしいから、ちゃっちゃと終わらせますか」
クラウドは、遺跡の入り口に何のためらいもなく歩きだす
「あ、ク、クラウドさん」
直哉が少し行くのをためらっていると「さきに行きましょうか?」とルーチェが聞いてきてため見栄を張って「大丈夫」と先に進んだ
「そうですか、でわ」とルーチェは直哉の後ろをついていく



「暗いですね…」
入口から入ること30分ぐらい、薄暗い遺跡の中を歩き続けているが未だに目的のものは見つからない
その時、かすかな石の転がる音が…
「ん…クラウド?」
「魔獣のお出ましってところか…走るぞ!」
「えっ…?」
ルーチェ、クラウドは一斉に走り出し、直哉も後を追う
「わぁうぅぅぅぅう!」
と言う雄たけびとともに、後ろから走っている足音がする
「すごい数と速さだな…」
「ナオヤ、大丈夫ですか?」
「大丈夫」
しばらく走ると、クラウドは立ち止まり地面に屈みこむ
「罠を仕掛けられし鉄鋼(トラッピアアイゼン)」
すると、地面に陣が現れ、少し大きめな石のようなものが無数に出現する
「こいつは罠だ…先を急ぐぞ」
クラウドは、再度走り出し2人があとについていき、しばらくすると、ものすごい爆発音と震動が遺跡に響き渡る
「やれやれ、しつこい奴らだ」
「クラウド、今どのへんなんだ?」
「…もう8割ぐらい来たと思うが…僕もあまり来たことないんでな」
「本当に大丈夫なんですか、迷ったりとか……」
そう言いながら地面に手をつきながら座ろうとするが…
カチッと言う音がして、手をついていたブロックが沈む
「なんだ……?」
すると、ゴゴゴと音を立てて………床が抜ける………
「なんだ?」
「くっ」
「うわぁ」
3人はまっ暗い穴の中に落ちて行った


  • 最終更新:2010-07-10 00:04:59

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